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噛みしめ癖&歯ぎしりのお話

いまはテレビやSNSなどでたくさんの情報が流れています。すぐ簡単に必要な情報が手に入るのはとても便利ですが、なかには解釈を間違えてしまうと逆効果になってしまうような情報もたくさんあります。

 

 

今回は「噛みしめ癖&歯ぎしり」。

 

歯医者さんで「歯が削れてますよ」と注意されてマウスピースを作っている方は意外と多くて驚きます。夜、寝ている間に噛みしめていて朝起きると頭痛、歯や歯茎の痛みや腫れで困っている方たちです。これ以上は歯が削れないようにと応急処置でマウスピースを付けますが噛みしめ癖はなかなか治らず、マウスピースを破損したり歯を割ってしまう方もいたりします。私も子供のころから脊椎側彎症で背骨も顎も歪んでいたので、もちろん同じ経験はしてきました。そしてマウスピースが私のように装着のストレスから続けられない方もいたり。

 

 

噛みしめ癖や歯ぎしりには理由があります。

それは『顎の歪み』です。

 

 

では、なぜ顎が歪むのか?

 

原因は、「骨盤の歪み」と「寝る姿勢」、「食事の噛み方」が多いようです。こういうものは原因をみつけていくと「卵が先かニワトリガ先か」のお話になってくるので今回はここで省略しますが、ストレスでギュッと噛みしめて顎が歪む方もいます。ちょっと絵を書いてみました。(著作権などの理由からきちんとした図で解説できずすみません。解剖学の図など医療用のものは使用料が高額なんです!)

 

いまは睡眠に関しての情報もたくさん。「横向き寝」でGoogle検索すると「横向き寝は舌が落ち込むことによる気道の妨げが起きにくいため、いびきをかきにくく、呼吸がしやすくなる寝姿勢といわれているので肥満や扁桃腺肥大等で気道が狭くなっている人向きです。また、腰の角度を自由に調整できるため腰に負担がかかりにくいです。」(引用:BRAIN SLEEP)などの情報がたくさん出てきます。もちろん間違ってはないのですがこれは肥満や気道が狭くなっている人向けの応急処置としての情報です。

この図をみるとわかるように横向き寝だと肩幅や腰幅があるのでなかなか背骨がまっすぐになるのはむずかしいんです。私自身も子供の頃からの脊椎側彎症で不定愁訴がきつかったので、今の施術で身体が整うまでは次から次へ枕を買ってみたりオーダーメイド枕を作ったり、それも合わずに最後は枕を諦めてバスタオルを重ねてみたりと枕難民してきたのでこれは私の実体験でもあります。

  

また、「寝返りは寝ている間に自分で自分のからだを整体しているので必要」とも聞きますよね。私も自分でこの仕事をする前まではそうだと思って夜中も頑張って寝返りを何度も打ってきました。でもこれも解釈の仕方では間違った情報になります。からだに歪みがあると同じ姿勢では痛みや違和感が出て眠れないので寝返りを打つ必要があるだけで、もともと健康なひとは仰向け姿勢で一晩中、寝返りをせずに熟睡できます。(しかも寝返りを打つといちいち起きてしまうので熟睡できません。)寝返りが必要なのはからだが歪んでいるいるひとに対しての応急処置で健康なひとはする必要はないんです。

 

さいごに。

 

木や植物、建物を思い出してください。

地球には重力があるのでなるべく負担がかからないようになっています。人間の身体に一番負担のかからない寝る姿勢は「あおむけ寝」です。ヨガジャーナルのサイトなどにも、横向き寝姿勢は巻き肩や骨盤の歪みにつながると記事がありました。(「その寝姿勢で全て台無しに...巻き肩と骨盤の歪みを生むNG寝姿勢とクッション1つで解決する方法」)

検索してみると他にもいろいろな整体院などで「あおむけ寝」をおすすめしていました。ちなみにうつぶせ寝なら大丈夫?と思うかもしれませんが、顔が左右どちらかにねじれるので顎に負担がかかり顔も歪みやすくなってしまうようなのでご注意あれ。

 

初めてこちらへお越しの方に聞くとあおむけ寝は「したくても、できない」と仰る方が多いですが何回か施術を受けていただくとあおむけ寝もできるようになり、その頃にはもう噛みしめ癖や歯ぎしり、様々な不定愁訴も自然と消えています。いつも患者さんとあらためて人間のからだの不思議さに驚いて一緒に喜んでます。